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2018年9月

2018年9月30日 (日)

外来種の絵が出来るまで

今回「外来種」をテーマにするにあたって
最初、ヤン・ファーブルみたいにコガネムシを
実際に集めて作品にしようか
などと考えていたのですが、
「種」だと植物だし、
直接環境省にお問い合わせした方が
いいかなっっっっ
などと思いまして、
環境省のHPに掲載されている画像を使いました。

HPのスクリーンショット。
20180226_145407

ナガエツルノゲイトウの画像。
Nagaetsuru2

これを鉛筆で輪郭だけ描いてみたのが2017年12月21日。
Img_20180930_121652_571

水彩(時々遊びで描いたりはしていたものの、ちゃんと描くのは高校生ぶりかも)
で描いたのが同じ年の12月28日。
Img_20180930_120016_457

他の外来種の画像も試して、
もう一度描いてみたのが、2018年3月18日。
Img_20180930_120741_749

ちなみに水彩はボタニカルアート風に、背景を白く抜いています。
その時は、ロイヤルコペンハーゲンの「フローラダニカ」シリーズを意識して、
現時点での国の姿‥などと思いながら描いています。
Dsc_0880
画像は有楽町にあるロイヤルコペンハーゲン旗艦店のフローラダニカ。

油絵にしてみては?とのアドバイスを受けて
スペイン留学以来25年ぶりぐらいに描いたのが2018年4月。
Img_20180908_074916_379

1993年のスペイン(マドリッド)留学中はデッサンがほとんどで、
あまり油絵を描いてませんが、
プラド美術館で再三見たリベラなどの
下地を茶系統で描くやり方で
やや宗教画のような意識を持ちつつ
過度に美化したり劣化させないように描きました。
Ribera_andres01
なんとなく、背景の黒のテイストが似ているかと
余談ですが、スペイン絵画は他の作家も黒が美しいですね。

昨年危険生物がよく取り上げられ、
外来種が過度に危険視されるのも
楽観視されるのも
どうも違うなと思ったからです。

つまりは「脚色」の危険性ですね。

もともと観賞用で導入されたような経緯があるせいか、
写真で見ていても美しい。
美しいものは遠くから様々な物を
良くも悪くも結びつけてしまう。

外来種でも美しいものは美しい。
でも安易に考えて増やしてはいけない
それはなぜなのか?

そこが生命の謎であり魅力ではないかと、
わたしは思います。

2018年9月28日 (金)

2018年9月1日(土) eitoeiko 種をまく人 五箇公一氏 講演レポート

2018年9月1日(土) 神楽坂にあるギャラリー eitoeiko さん で開催した安田早苗個展「種をまく人」
オープニングイベントを行いました。

 

ゲストは国立環境研究所の五箇公一先生です。
Img_6621

 

国立環境研究所HPの講師依頼フォームに書き込み、
広報の方から対応可能と言っていただき、
講演開催に至りました。
安田も、直接お話したのは初めてです。

 

去年からヒアリ、今年になって池の水全部抜く番組などなど‥
で話題の「外来種」ですが、
安田が2001年〜2005年限定で滋賀・京都で実施した
種をまくプロジェクト でも、「ハーブの種は繁殖力が強いからまくのは良くない」などと言われ、
う〜ん100個ぐらいでビニール袋に入れてるし、
水に溶ける紙風船なのに‥
外来種をまくつもりでやった訳ではないのに

 

外来種について専門家に直接色々聞きたい!
と、思い開催の運びとなりました。

 

講演は、まず外来種を防除する目的は
可愛い、綺麗な動物を守るだけではない、
「生物多様性」を守るということから。

 

Img_6622_2
遺伝子の多様性がなくなると、
環境の変化に対応できず、
全滅するリスクが多くなる。
多様な生物が生き残らなければ、
人間が残らないため、
人間のエゴで防除している。とのこと。

 

Img_6630
現代の絶滅の速さは加速度的で、
生き物の生息域が脅かされている。
普段の日常生活も生息域を破壊しているそうです。

 

外来種とはAlien species=よそ者 で人の手で移動させたもの。
その例として‥
東大教授の渡瀬庄三郎博士が
ウシガエル、アメリカザリガニは
大正時代に食用で、
マングースはハブ撲滅目的で持ち込んだが、
時代とともに外来種の価値も変わってきている。

 

Img_6637
アライグマは1970年代アニメーションの影響で飼いたい人が増えたが、
2週間もすると飼いきれなくなる獰猛な動物だったため、
逃す人が続出して増えた。
日本には狂犬病はないが、
原産国の北米では狂犬病のベクターとして
危険性が重視され、教育もされているそうです。

 

また、外来種は来るだけではなく、
海外にも出て行っていて、
日本の葛がグリーンモンスターと言われてはびこっている。
撹乱環境に適応した外来種がはびこり、
どこに行っても同じ景観になる。

 

他にも話題のヒアリのことや
カエルツボカビの話も。‥

 

身近な自然がどんどん置き換わっているのは、
グローバル化のつけが回ってきている、
人間社会の問題だということです。

 

クワガタムシの遺伝塩基配列を調べ、
500万年かけてできた亜種が
人間の手で動き、
遺伝子撹乱が起こるとの説明も。
Img_6639

 

もともと五箇先生はダニ学者で、
その生態を調べたり遺伝配列を調べているうちに、
全ての生命体の遺伝子がいかに影響を及ぼしあっているか
また、ダニを含めて寄生生物や病原生物も
生態系のバランスを維持する上で
重要な役割を果たしている。
ということに気がつかれたようです。

 

最後は日本ではクワガタムシ、カブトムシ、コガネムシと
普通の人でも使い分けているのに対して
英国では「ビートル」の一言でくくっている
クワガタムシ(甲虫類)がいかに日本で人気があるか?
それは日本人は、里山という環境の中で、
自然を愛していく生活をしなければ
生き残る道はなかったからではないのか?
などなど。

 

 

五箇先生はあちこちで講演されているので、
ぜひ一度生で聞かれることをお勧めします。

 

種をまくプロジェクト記録映像上映(40分)
その後、五箇先生にあらかじめ用意した質問を。
1)以前から日本にいた外来生物が、2004年に規制されることになったのは何故なのですか?

 

2)2017年に、外来種あるいは危険生物が度々取り上げられたのは、何故なのですか?

 

3)外来種に滅ぼされた在来種にはどのようなものがあるのですか?

 

4)意図的に持ちこまれた外来種と、偶然持ち込まれた外来種について。

 

5)遺伝的撹乱とは何ですか、どうして問題なのですか?

 

6)日本で販売されている種を100個ぐらいビニール袋に入れて
風船につけて飛ばしました。どの程度影響があると思われますか?

 

Img_6651

 

 

特に気になっていた
5)遺伝的撹乱
にも丁寧にお答えいただきました。

 

例えばニホンザルとアカゲザルとの混血の殺処分に
倫理観から反対の声があるとか、
トキは中国産個体との雑種で生き残らせる方策が採られたが、
日本産トキが死滅して、
現在は中国産トキを仕方なく
増やして放鳥している。とか。

 

遺伝子の固有性は地域環境によって育まれたもの。
進化の歴史的産物。
一度撹乱され、雑種化が進行すれば
元の固有性を取り戻すことは困難。

 

何が起こるのかわからない
ブラックボックスであるので
そこに置いておくのが最善である
という見解であるとか。

 

色々な意見があるけれど、
それも多様性なのであり、
客観的なデータに基づき、
コンセンサスを得るのが
大事であるとのことです。

 

6)については、
一般的に園芸品種が自然界で生き残るのは難しいが、
絶対ということはない。

 

学者の意見は斜めから聞いて、
セカンドオピニオンを置くことが重要である。
とのことです。

 

安田は、美も生命も
自己目的的で予測不可能であるところが
面白いなと思いました。

 

また、「種をまくプロジェクト」以前は
タブー(禁忌)をテーマにしたコンセプチュアルアート作品
制作していたのに急に変わった。

 

と言われることもありましたが、
画廊を飛び出すという挑戦をしたことで、
外来種というタブーにアクセスしてしまい、
ずっと、やっていることは変わらないな‥
などと、思っていました。

 

 

それにしても、
グローバル化と切り離せない外来種問題、
色々話も膨らみ、
考えさせられるところが
面白かったです。

 

 

2018年9月21日 (金)

安田早苗 種をまく人 記録映像上映会のお知らせ

安田早苗個展 種をまく人
展示の最終日である2018年9月22日に
「種をまくプロジェクト」記録映像上映会を開催します。

Unnamed
Unnamed1

17時〜
18時〜
の2回です。

上映の合間と終了後は
外来種であるアカツメクサの花酒や
ソフトドリンクなどを
お楽しみいただきながら
ご歓談いただけます。

入場無料 
予約不要

今回、本当にミニマルでスッキリした良い展示ですが、
映像を見ないと「種をまくプロジェクト」
についてよく分からないと思います。

記録映像はネットなどで公開せず、
実際に見ていただく形で
これまでも、これからも上映します。

これまでご覧いただいた方には、
ご共感いただけるポイントがいくつかあり、
お楽しみいただけるようです。

お気軽にお越しください。

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